荒々しくも品格がある「ホースレザーバッグ」。
バッグの素材として広く知られるのは牛革ですが、今回用いたのは、ホースレザー(馬革)です。
その生涯の移動距離は牛と比べてとても長く、それゆえ、ぎゅっと繊維が詰まった丈夫な革となるのが特徴です。
一方で、活動量の多い馬革には傷跡やシミも多く見られます。
これはひとえに、馬が生きた証であり軌跡です。
ホースレザーバッグのフラップは革一枚仕立てなので、表面を撫でるだけでは伝わらない、つかんだときの厚みや質感も体感していただけます。
肉厚でもっちりとした革の弾力、ていねいに植物タンニンでなめした銀面(革の表面)のしっとり感、さらに相反するような床面(革の裏面)の野生み溢れる躍動感。
それを存分に味わえるよう、ショルダーバッグのフラップ部分には、あえてデザインを加えず、革のへり(端)が持つ形をそのまま取り入れました。
大きく波打つもの、なだらかなカーブを描くものなど、こちらもまた、ひとつとして同じものはありません。
意図したデザインからは生まれない、固有のかたちです。
更に、一枚革のさまざまな部位を使うため、なかには「コードバン」と呼ばれる馬のお尻部分の革が使われていることも。
一説によると牛革の3~5倍ほどの強度を持つとも言われる「コードバン」。一頭から取れる量は限られるうえ、きめ細かい繊維となめらかな手触りから、「革のダイヤモンド」とも称されます。
また、この素材は水に強い加工を施しているので、天候を気にせず、お使いいただけます。
カラーは「チャ」と「ダークグレー」の2色をご用意しています。
飽きのこないように、単一なクロではなく、複雑な色の重なりを感じるダークグレーをあえて今回選びました。
からだを包むような大ぶりのショルダーや、安心感を携えるようなトートバッグ。
見た目の肉厚なボリュームに対し、意外なほど軽くお持ちいただけます。
革を愛で、包まれるように過ごす毎日に、用途を超えた感覚的なよろこびがあるかもしれません。
「素上げ調の本革」だからこそ、感じられる楽しさ。
一期一会のホースレザーバッグを、ぜひ味わってみてください。
PARCO2 3Fゲンテン
ホースレザーバッグ
25/02/14
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